Q5. どんな勉強するの?

西守 騎世将の考えと答え…『物事を知る術(すべ)』を理解する。

法律上、操縦教育証明は自家用資格以上でないと取れません。つまり、何かしらの操縦ライセンスを持っていなければ教えられないのはわかりますよね?
基本的に空を飛ぶのに自家用も事業用も変わりは無いんです。航空機が安全に空を飛ぶのに、セオリーは何でも一緒だから。
飛行教官はこれを教えるわけですから、自家用資格を取る時に学んだことをしっかりと見直し、曖昧な知識、漠然とした物事をくっきりとさせなくちゃいけません。人にモノを教えるわけですからね。
つまり、『概ね理解』していたことを『正確に理解』する作業から始まります。
そして教官といえども、頭の中に図書館並みの資料が揃ってるわけではありませんから、わからないこと、知らないこと、そして忘れちゃったことも出てきます。
最も大事なのはここ!と僕は考えています。
知らない事は仕方が無い。それを知ればいいだけ。ただ、何を見たら、誰に聞いたらわかるのか?という『物事を知る術』が無いと、わからないままで、可哀想なのはそんな教官に付いた訓練生。彼らは教官に気を使ってイチイチ『ちゃんと教えろ!』なんて突っ込みません。だからその訓練生も『曖昧なまま』育つことになります。これは教官として絶対にやっちゃいけない。

それと、人に物事を教えるには、教える相手方のことを考えないと相手の理解は得られません。ビギナーの人にいきなり専門用語を並べ立てて教えてもわかるはず無いですよね。
最近のパソコンやOA機器の説明書もこんな傾向があり、僕も時々『?????』です。これはユーザーのことをイメージしていない証拠。
自分がわかっているからって、相手がわかっているとは限りません。
また、わかっているだろうという勝手な憶測も危険です。訓練生は何を教えても『はい』と言います。
でもこの『はい』には3つの意味があるんですよ。
『本当にわかった』という『はい』と、『とりあえず言いたい事は聞いた』という『はい』、そして『わからない』という『はい』。
教える側はこれに気を付けないといけません。
操縦訓練は常に訓練生が主役で教官ではありません。訓練生個々の理解を確実に得られるための『教え方』は専門の訓練が必要になります。

『知っている』、と『それを教える』とでは、別技術なんです。このコースではそんな勉強、トレーニングをしていきます。


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